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催眠小説:【闇の現小説】一覧ページ
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『欲しいものはあるか?』
ニヤリと不敵に笑う男が呟いた。
そう・・それは、遠い過去の出来事・・・。

「欲しいものか・・・」
溜息まじりに呟きながらタバコを吹かす。
男は、夜の騒がしい街の片隅を歩いていた。
― 私の欲しいものは手に入ったよ。 
  だが・・、あんたの欲しいものは手に入ったのか? ―
自分の若かりし頃の記憶を辿りながら、
男は心中でその相手に尋ねていた。
あれ以降、彼とは会っていない。だが彼の意思は継いでいる。
『お前に全てを授けてやる。その代わり、何があってもこれを果たせ』
― ・・・・・・・。―
暫し、思考を深い部分に漂わせながら、煙を吐き、タバコを足元で消す。
周りを見渡せば、楽しそうに笑いあいながら歩く若者に、
会社帰りだろう人々の姿が見えた。
彼の目は遠い過去の記憶に留まったまま、それらを見つめる。

― そろそろ・・、始める頃かな? 克司さんよ。 ―
ふと、男の笑顔が見えた気がした。
どこまでも、あんたには敵わない。
いいよ・・。俺は欲しいものは手に入れた。
後はあんたの望み通り動いてやるよ。
そう心の中で呟いて、歩き出した彼の顔には、
以前のその男と同じ不敵な笑いが浮かんでいた。


場所は東京、六本木。今ここで1つの意思・動きが始まった。
空からは、とても綺麗な満月が
その様子をただじっと・・・眺めていた。


【闇の現小説】
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