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催眠小説:【闇の現小説】一覧ページ
http://aibox.blog.2nt.com/blog-entry-154.html

【闇の現小説】
前小説:http://aibox.blog.2nt.com/blog-entry-169.html


男はそのまま、店を後にし、いつも訪れるあるラウンジバーに流れ込んだ。
そこは先程の店とは違って、それなりの広さを持っていた。
数名のボックスに何人かの女性、そしてカウンターにはマスターが、
しっくり飲みたい相手の対応をしている。


彼は、この店が大のお気に入りだった。


ラウンジバーに入るなり、気だるそうにしながら、カウンターで足を組み・・タバコを吹かす。。
そこで『与えられた情報』を見ながら、頭をまとめようと考えた―――のだが。
どうやらそうも行かないらしい。


「あら~ 智也~ ひさしぶりじゃない? なぁに、また荒れてるの?」
クスクスと笑いながら、店の女性がひとり・・・彼についた。


「別に荒れてねぇよ。 なんだ?いつもそんなに俺は荒れてるのか?」
「荒れてる荒れてる♪」
「嬉しそうに言うな(怒)」
「ほ~ら、荒れてる(笑)」

たくっ・・・といいながら、男はいつものワイルドターキーをロックで飲み始める。
そう、彼はいつもはターキーなど甘目が好きなのである。
では、何故あの店でバランタインだったのか?

ターキーを喉に流しながら、ふとそのことに気づき、苦笑する。
―やられてるな。

「で? どうしたの?」
「あん?」
「あん?じゃないでしょ・・。あなたがここに来るときは何かあるときよ(笑)
ネタはあがってるんだから♪」

うふっとした顔で、女性は嫌味などさらさらない顔でいう。

「・・・お前はデカか。」
「あら~? じゃ、ネタあげようか?そう・・咲灘のね~取締り役がかわったとき~、あなたは・・」
「あぁ!! もういい!! わかった。わかったから・・
せめて、気分が重いんだ。。過去ぐらい忘れさせてくれ。。。」
「クス。じゃ、おしえてくれる?」
「・・・なにをだよ。」
「・・・いまの・・あなた・・・」

「・・・・・」
男の頭に 克司の顔が浮かんだ。。
ふっ・・と男は細かに口端のみをあげて笑う。

「なぁに?その顔は・・。私じゃ話し相手にならないって言うの?
 ちょっとマスター! 私にもターキーついで!」
「おぃ。それは俺の酒だ。」
「だからよ!」

女性はこれみよがしに、ターキーのロックを一気飲みしていた。
その様子を観て男は唖然としながら見ていた。。
この明け透けのない女性に、これまで何度救われた事か・・わからない。。
すべては見せてないだろうその顔に・・
そんな事をも見せないくらいの、明け透けのない会話で相手の心を溶かす。。
そして、じんわりと染み込んでくるのだ。。


その笑顔が・・やさしさが・・相手の心にある内なる全てを打ち明けさせる・・


彼女はこの店でのNO1だった。


「・・・・・」
男は彼女をじっと眺めたまま・・暫し深い思考へと潜った。。

唖然とした顔で・・・じっと眺められて・・彼女はたじろいだ。
今までこんな様子は観たことがない。

彼(智也)は、丹精の取れた顔立ちをしていた。
日頃、悪ぶらなければ(といってもこの店でだけなのだが)、かなりモテル筈だ。
その顔立ちの男が眺めてくれば、たじろぐのも仕方あるまい。


「な・・・なによっ 一杯くらい飲んだってあなたの懐は痛くないでしょ?
 それとも~♪ 私の顔に惚れ直した? クス」


フッ -ある男の笑った顔が彼の脳裏に瞬いた-


智也は、眺め続けたまま・・・その色偽りのない眼差しのまま・・呟いた。
「あぁ・・・惚れ直したよ。美帆・・・」
「な。。。 」
女性は赤くなる。
「智也?あなた、本当に変よ? 私を口説くなんて・・・熱でもあるんじゃない?」

と、彼の額に手を伸ばそうとする彼女。。
その手を強引に掴んで腰元にひっぱる・・
「きゃ・・・」
胸元に来た彼女のあごを掴んで・・彼はもう一度呟いた。。


「綺麗だよ・・・美帆・・・」


女性は、いつにない突然の行動に半ば呆然としながら・・・はっときづいて、体制を整わせる。
そして何事もないかのように彼に接客をし始める。。
いつものように、茶化し・・相手を困らせ・・楽しめ・・和ませる。。

そんな応対を受け、その様子を彼はシビアに見ながら・・
ふとしたときに彼女の耳元で囁いた。

「今からトイレに行くから・・
 美帆もおくれてこい。 教えてやるよ、俺の秘密。」

それはずっと、何年も掛けて美帆が怪しいといいながら、知りたがっていたことだった。。
それは、智也にとっても感の良い美帆に、普段手玉に取られながらも(そうみせながら)、
面白い会話でもあった。。

探られそうで探られない・・そのキワドイ曖昧・・・そのトーク。。
時により彼女は触れてはならない場所にも触れた。
―当然、克司と関係がある内容の一部だったりしたわけだが、―

彼は明らかに機嫌が悪そうに一喝するかのような、
一見すると、人によっては喧嘩になりそうな会話でも、
彼女は穏便に面白い会話内容へとそれらを昇華してみせた。。。


・・・だから、彼は、この店に今も来る。。


男は立つと・・ トイレに向かった。
「ちょ・・ちょっと。。」
まだ返事していないじゃない・・・ 彼女はそう心の中で愚痴るが・・
暫くしても戻ってこない彼に、、しかたないとトイレに向かうのだった。


「智也~?」
彼は、壁に背中を掛けて少し俯きながら、待っていた。。
彼女の声に、そのまま目線を向ける。。

うっ・・・。
彼女はその彼の目線に弱かった。。
智也は意外に良い男なのだ。。何度も言うが、悪ぶっているが、育ちがいいのは解かる。
しかも、一代で名ある企業を創出した本人だ。
そして、柄が悪い風貌を装っているが・・・その姿はダンディでかっこよかった。。
ホストでも彼なら、軽く一位まで昇れるだろう、そう思うくらいの風貌と気立てだった。

そう、彼女の好みだったのである。


「なぁに?智也。秘密って・・♪」
ふわり・・と彼に腕を巻きながら・・問う。
「・・・秘密を知ったら、もう抜けれない。それでもいいか?」
「あ~ら、私口は堅いわよ(笑) それに、あなたの秘密って一生困らなさそうじゃない(笑)」
彼女は、いつもの癖で・・難癖のつもりでそう答えた。
彼のその秘密をネタに、食べていけるといっているのだ。

彼は、腕を回し真正面から囁く彼女に両手を顔の横につけて、真剣に答えた。。
「あぁ・・・ 一生困らない」
「えっ・・・・」
そんな答えが返ってくるとは思わなかった。。本気なんだ。。

「どういう・・・意味?」

「そういう意味だよ。」
「一生私をそばにおいておいてくれるの?(笑)」
「フッ・・・それは、お前次第。。だな。(笑)」

彼のいつもの笑顔に、彼女は安堵しながら・・耳元近くに顔を寄せて呟いた。。

「いいわ聞かせて。。」


その夜・・・彼は、最初で最後の之までの話を伝えた――――

【闇の現小説】
次小説:http://aibox.blog.2nt.com/blog-entry-175.html

小説で、今ちょうど洗脳という部分が出てきたので、
ここで、あなたの洗脳度チェック!

意外と影響されやすい!? 洗脳体質度チェック【MSN】
http://lifestyle.jp.msn.com/life/shindan/start.aspx?documentid=251576741

自分の弱点がわかるかもしれません(笑)
ちなみに私は、安全タイプになりました。

皆さんも興味がある方は、チェックしてみてくださいね。



催眠小説:【闇の現小説】一覧ページ
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【闇の現小説】
前小説:http://aibox.blog.2nt.com/blog-entry-168.html



洗脳。一般名「brainwashing」

飢餓状態・睡眠不足・監禁・脅迫・暴力・強姦・薬物・拷問など用いて、
精神的圧迫(罪の意識の植え付け)などの強い外圧を与えながら、
思想(脳)を改造する(洗う)ことで、思想改造の教育方法のひとつを指す

ひどい虐待方法を使い、その中で、優しく接したり、
受け入れやすい要求を少しずつ出していくことで、
思想を変えていく。

一般的には、普通の環境に戻れば思想も元に戻ることが多いと言われているが、
根底に植えられた恐怖感などの内容により、
それらのものは、深く残ることがある。



智也は、マスターと克司についての語らいを愉しみながら、
バランタインを数杯飲み干した。
その昔、軽いビール1杯で、真っ赤になっていた頃が嘘のようだ。
これも、克司の影響の一つだったのかもしれない。


「それにしても、あなたはよく克司さんに似てきましたね 笑」
「え? そうか?」
「はい、顔立ちは違いますが・・なんでしょう? 雰囲気でしょうか、似ています。」
「・・あまり、嬉しくないな 笑」
「笑」

マスターは、そういうと暫く別の客の世話に付いた。

それにしても・・・
よくこれだけの情報を、意識の中に入れられたものだ。
いつ入れられたのかも覚えていない、内容を見つめながら、
智也は思った。

―催眠。 一般的にこう呼ばれている手法が、知らぬ間に横行している現実。
世間大衆に、目に留まるようにして、暗に隠さないシンボル。その意図。
印刷物、テレビ、ラジオ各種などから用いられる、情報バランス。
多種多様の情報を流すことでの、意識反応の鈍化。

いまや、日常に使う道具や食べ物、薬などからも
人を奴隷化&搾取しようとせんがためのものまであるといわれているが・・

まぁ、それはいい。


問題は、「今」これらを渡された事実だ。


『満足いく結果が出せて、世の中に飽きたなら・・ 「俺」を思い出せ。
 飽きさせない「世界」を「思い出させて」やるよ。』

飽きさせないというか・・・あんた。。
これは、何に挑戦状贈れって言ってんだ?
俺が今の地位についたのも、あんたの差し金かと思えてくるぜ。

ニヤニヤと頭の中で、男は笑っている。

あ~、たちが悪い。
こういう顔立ちを見るときは、大抵、こちらが困ることを相手が言う時だった。
ほんとたちが悪い・・・。

ただの何も物事をあまり知らないであろう、好青年を捕まえておいて、
―好とつけるあたり、この男の性格が出ているのだが。
夢も希望も打ち砕き、その上で、うまくいく方法を叩きいれたかと思えば、
これだ。


―あんたのお蔭で、成功できたと思っていたんだがなぁ~・・・・
 これじゃ、あんたの駒じゃないか。
 まぁ、飽きはしないがね 笑


かつて「バランタインの氷」と呼ばれた男は、心の中で愚痴った。


・・・それにしても、いつ洗脳されたのだろう?
・・・・いや、マインドコントロールだろうか?


過去を振り返って、気づいたことは、
暫く、克司さんにべったりと暮らしていたことだった。


『普通に家に泊り込めばいい 笑』

そういって、鍵を渡したあいつ。
家賃も浮くしと、家をいつしか取っ払って・・・入り浸っていた。
そのお蔭で、お金には困らなかったのだ。
飲みにも連れて行ってもらえたし、(当然、この店である)
かなり愉しかったのを覚えている。


・・・家を取っ払う時点でな~・・・入れられているよな~・・・・


飲みながら、今更ながらにそう思うが、
まぁ、そのお蔭で助かった記憶も深いため、
なんともはや、複雑な気持ちになってくる。。


毎夜毎夜、そういえば・・練習だといって、
色々、教えられたっけ・・・。


カラン―


飲み干したグラスを、顔の前まで持ち上げて、グラス越しに氷を見る。

・・・このグラスでさえ・・、俺にとっては「道具」になっちまうんだもんな・・・

氷を見ている目は、その昔、
―『そうだな。お前次第さ。どう使うか、伏せるのか。暴走させたら身の破滅だな(笑)』
と語った、男が見ていた、グラスの氷を見る目と同じだった―――




【闇の現小説】
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【闇の現小説】
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「それで、マスターはあいつと連絡とっているのか?」

あいつ。その言葉で通じるかどうかも、かなり昔過ぎてわからなかったが、
男はそう問いかけた。 あいつとは当然、克司のことである。

「いえ。あれっきり、ここにも訪れなくなりました。どこにいったのやら。」
そういうと、ちょっと寂しそうな困ったような顔をした。

「実を言うとこの店、彼のお蔭でつくれたようなものなんです。」
「え? それは初耳だな 笑」
「そうでしょうね、あの人はそういうことは何も言わない人ですから。」
「・・そういや、マスターとあいつは、どういう経緯で仲が良かったんだい?」

そう聞くと、マスターな困った顔をした。

「聞いちゃまずかったか?」
「そんなことないですよ。ただ・・どこから話せばいいのかと考えてしまっただけです。」
そういいながら、洗い立てのグラスを拭き終わると、
過去を思い出すように、語り始めた。

その内容は、意外なものだった。

元々、彼(克司)とマスターは同級生なのだという。
だが、一時期、克司が遠く離れた場へ行くことになり、逢うことも無くなったとか。
高校生の終わりごろ、転校して戻ってきた彼は、まるで別人のようになっていたのだという。
昔は、明るくて気さくで、周りを引っ張っていくようなタイプだった彼が、
その頃には、一人、影をもつような印象を持つ、落ち着いた青年へとなっていたそうだ。

「今思えば、誰よりも先に「大人」になってたのかもしれないですねぇ。」

カラン―

違う。それは、あいつが「新たな知識」を「与えられた」からだ。
俺にも渡した、あの知識を――――


『智也よ。 もしこれをみんなが知ったらどう思う? 当然嫌がるだろうな。
 だが、賢く使えるやつが知るのなら・・・ これは「財産」になるんだよ』


「財産・・ねぇ・・・・・」


「・・はい?・・・」
「あ、わりぃわりぃ、独り言。
 でも、そんなに性格って変わるものか?」
「それなんです。彼に何かあったんじゃないかと思ったんですが、特に何もないんですよ
 そういうことがなければ、あんなに変わるとは・・・思えないんですがね。。」
「隠すの上手そうだしなぁ・・・」

カラン―


「あはは、そう言われればそうですね 笑
 まぁ、上手に隠されていたのかもしれませんが、
 あえて触れなかったことが、良かったのかもしれませんね。傷口開くよりかは 笑」

酒のおかずに、克司の会話をしながら、
智也と呼ばれた男は、克司の言葉を思い出していた。

『満足いく結果が出せて、世の中に飽きたなら・・ 「俺」を思い出せ。
 飽きさせない「世界」を「思い出させて」やるよ。
 本当に飽きたら、「店」に行くんだな。
 そこで、「俺」は『待っている』――――』


―待っている。か。

あんたが言ったことは、「これ」だったのかよ。この記憶かよ。
よくもまぁ、深く入れたもんだ。洗脳か? 克司さんよ。

頭の中で、彼が笑っている。

バランタインを飲みながら、男はマスターとの会話を愉しみながら、
新しく「与えられた」情報をうっすらと眺めていた。。




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時は現代――


キー・・―

彼は昔よく来ていた店に訪れていた。
昔から或る古いドアは、軋む音を上げて、男を向かい入れる。
場所は、六本木。克司と会ったあのバーである。

向かい入れたバーは、狭いバーだった。
L字に緩く曲がったカウンターバーは、6人ほどしか座れない。
その奥には、小さなボックスが2つあるのみ。
それも、ゆとりがあるとは言い難かった。

「懐かしいな・・・」

男がその店に入るのは、かれこれ十数年ぶりだった。
何せ、克司と会うためだけに通っていた店だ。
彼がいなくなった時、店に来る理由もなくなっていた。
今彼は、どうしているのか?

「いらっしゃいませ おや・・あなたは。。」

マスターらしき男が、声を掛けてきた。
その顔には身を覚えがある。堀の深い顔に、小さな傷跡。
昔、客を守った際に付いたんだと聞いた傷跡が、今もあった。

「やぁ、マスター。覚えていてくれたかい?」

男は、昔、此処を常連にしていた男のように不適に笑い、話した。


「えぇ、あなたのことはよく覚えていますよ。どうぞ、こちらへ。」

カウンター奥から二つ目の席に案内され、そこに腰掛ける。
壁には懐かしい男の写真があった。
この席は、あの男と話をしていた際の特定席だった。


「懐かしいですね。飲み物は何になさいますか?」

―飲み物。   カラン―と、耳の奥で音がなった気がした。

「あいつと同じ、バランタィンの20年ロックで。」
「畏まりました。」


店の中を改めて、見渡す。
こんなに小さなつくりだったか?
あの時は、まだ酒も覚えたてで、行きつけの店もなかった。
この店に通うようになって、酒の味を覚えるようになっていったのだ。

カウンターの中には、各種銘柄が勢ぞろいしていた。
店が小さいだけに、あまり種類が置けないだろうと思うのに、
その数は、他の店にも負けじ劣らずと置かれており、
特に、ブランデー・スコッチなどの愛好家には人気がある店だった。

―『手軽に酔えるから、これでいい。笑』

そう言って、バランタインを嗜んでいた、過去の男を思い出す。
だが、いくら飲んでも酔っている様な様は見えなかった。
今思えば、酒の味もあいつに教えてもらったのかと、苦笑する。

色々振り返りながら・・・ 若いというのは恐れを知らないなと愚痴めいた。


「どうぞ。」
目の前には、昔懐かしいグラスに丸い氷がいれられた、琥珀色のグラスがひとつ。

・・・あ。・・・     カラン―


「―どうされましたか?」

暫く、グラスを見つめて固まっていたらしい自分を見つめて、
マスターが声を掛けてきた。

「あ、すまない。グラスを見たら懐かしくなってね。」
「そうでしたか。そういえば、克司さんも最初、同じ言葉を呟きましたね」
「最初?」

グラスに手を掛け、味わいながら問う。

「ええ、この店に始めていらっしゃった時のことですよ。
 そうそう、同じように、神妙な顔でグラスを暫く見つめてらっしゃっていて。笑」
「へぇ~・・・ あいつがねぇ・・・・」
神妙な顔をするようには見えないけどな。

「声をかけたら、同じような言葉を。笑 何か、思い出でもあったんでしょうかね。」
―思い出。

その言葉を聞くと同時に、一気にフラッシュバックのように、
何かの映像・様子・言葉・情報が男の頭の中を駆け巡った。

っ!・・・



カラン―



氷の音で、目が覚める―

そうだ・・俺は・・
これを「知る」為に、「ここ」に来たんだ・・・


「すいません、おつまみを忘れていました。こちらをどうぞ。」
「あぁ、ありがとう。」
手前に出された、小さなピーナッツ受けを見つめながら
男は答えた。



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